にっこり笑ってステキなお誘いを持ってきた渚に
私は一瞬腹黒オーラを感じました。
悪夢はスタートライン6
「…と言うワケだから、来週の土曜日の一時にジャスポの前ね」
「いや、待っておくれヨ、渚さんと言うより渚様」
専攻学科の授業最中の自由課題タイムに突如私の隣に現れ、
ある程度のメンバーでカラオケに行かないかと誘われました。
その"ある程度のメンバー"に嫌な予感を感じながらも、その事を聞けば…――。
「えーっとねぇ、アタシに安城君……あと、トミね」
トミ = リーゼル青年である事がつながり、ウハウハ気分が一気に氷河期に突入した私を置いて
去ろうとする渚に…必死に手を伸ばしてワイシャツを掴んだ。
「えーっと、トミと言うのはリーゼル君のことですかね?渚様」
「うん、そう――あ、此処 <int> じゃなくて <String> 。」
私が今やっているプログラミングの課題の間違いを見つけて渚は勝手にポチポチと直してくれる。
…いや、そんなの今は(授業中なのに)どうでもいいんだ!!
なんとか話をする為、近くの椅子をグィっと持ってきて渚を無理やり座らせ、言う。
「いいかね渚ちゃん。
君は何を言ってるか分かっとるのか酷いぞ惨いぞ色々私にも事情があるんじゃ分かるか!」
マシンガントークを出来るだけ声を殺して訴える私だが、渚はニッコリ微笑んで言って来た。
「…ん〜、。最近どれだけ付き合い悪いのか分かってる?――来い、必ず」
最後だけ思いっきり腹黒オーラを出して笑い、「じゃあね〜」と言って渚は席に戻って行った……。
カタカタとひたすら文字を打ち込む音とマウスのクリック音、
そしてざわざわと相談声(正確には雑談)が聞こえる。
あぁ…と頭を抱えて前屈みになって脱力感オーラを放出する。
どうしよう、私。
リーゼル青年(その他関係者二人付きで)とカラオケに行く事になりましたよ!!
ジャスポは、有名なカラオケチェーン店で比較的学校から近くにあるお店だ。
確かに、私も此処最近カラオケに行ってなくて行きたいと思ってたけどさぁ……。
「何でリーゼル君付き何だよ…」
そう小声で呟いた後、私は体を起こしてかなり遠くの席にいるリーゼル青年の様子を伺う。
真面目に何度も画面とキーボードを交互に見詰めながら彼はHTMLの課題をこなしていた。
……って言うか、何で平然とパソコンが打てるんだよ。それも日本語!
ハァーッと盛大にため息を付きながら私は自分のパソコン画面に視線を戻した。
あの渚の黒さに触れると……何故かハリポタのリーマスをおもいだすなぁ…。
家にある自分のパソコンのハリポタ系のブックマークは全部NotFound状態だし――あぁ、見たい。
「黒い狼が見たい…陰険教師が見たい……ヘタレ犬が見たい…」
あえて実名を言わないのは…まぁ、気にしないでください。
と言うより、そう言う配慮をお願いします。
ハリポタのサイトを持ってた作者様…一体どうしてるんだろう?
まぁ、別ジャンルの活動が出来る方はいいんだとおもうけど……問題は原作者様とか出版社様とか…。
「酷いよなぁ…関係者の人生一体どうしてくれるんだろう?」
いや、それ以前に張本人の近くにいながら記憶がある私の人生を丸々返してください。
……と言うより記憶を残してるのはわざとか、それとも秀才である彼の手違いなのか…。
《…も、もしやっ!?》
もしかして、ハリポタサイト(二次創作ジャンル)持ってた方は記憶があったりする!?
いや、とりあえず私も二次創作のハリポタサイト持ってるし
(幸い、サイト移転中だったからパソコンに全データ保存済み)
…とっても、駆け出しだったからあんまりコンテンツがないからなぁ……とりあえず様子を伺おう。
でも、私の知り合いでハリポタサイト持ってる人いないからなぁ…調べる事ができないなぁ。
ちくしょう!ハリポタサイトを運営してる方に想いが届くのならば、言いたい!
《何処の作者さん!!此処に仲間がいますよ!落胆しないでください、希望を持ってください!》
――…なんて、勝手に見えぬ仲間意識を強くするけど第三者から見れば私って凄くイタイなぁ。
「神様、ヘルプミー」
「ん、何か呼びましたか?三波」
そう呟くと、神様に代わって『情報』の授業と同じく『情報技術』も受け持っている半田が現れた。
いや、くるなよ。と言うか、アンタが神様の筈ねぇだろうが。
半田は自分が来たのにも関わらず盛大にため息をついた私に、
素直に首を傾げていた。
ごめん、私。遊びすぎです。ごめんなさいっ!!
カラオケ行くのか!?何歌わせるんだ私!(考えとけよ!)
<int> とか分かった方は…結構凄い?
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