またまた痛い所に言葉のデットボールを…じゃなくて!!









悪夢はスタートライン22











「な、ななっなっ…なんでこんな平凡一般女子高生をご氏名なんですか!?」




クラフトだかクリオネだか知らないけどさ、何で私なワケ!?

もっと特殊な人が、探せば山ほどいるはずだよ!陰陽師・巫女の国日本(?)だよ、ココは!!





「基準は定かじゃないけどさ。現に僕が使った特殊な忘却術は効かなかっただろう?

 …あれは、クラウンの力を応用したものだから」


「あ……でも、それとこれとは話が別ですって!!」





頑として、私は否定の意を示すためにブンブンと首を振る。

絶対変!私じゃなくてもいいでしょ!?私は一般ピーポーで十分ですから!!


私の拒絶があまりにもオーバーだった所為か、リドルは深くため息をついて言った。





「…さん。分かってるかな、君に拒否権はないんだよ」

「え…?」





頭を抱えていた私が顔を上げれば、彼は手を突き出していて、鋭い形相で私を見ていた。





「次なる宿り主の決定はくつがえる事は無い。僕としてもそれが条件でここにいる」

「でも私はっ!」

「…記憶を無くし突然異世界に連れて行かれるか、現状を受け入れる…どっちがいいかい?」





彼は極論を言った…これは、脅しだ。

そう、私に拒否権なんて無い。優劣をつけるなら明らかにリドル側が優勢で、私は無力だ。

そして――の事もある。

強大な未知の力と、友人と言う人質…。確かに、決定も拒否も無い状態だ。






「…分かりました」





静かにそう答えると、彼は手を下げて私から視線を逸らす。

緊迫した空気が消えて、私は口から洩れた息と一緒に苦笑いを浮かべる。

…ホント、途方も無い話に巻き込まれちゃったなぁ。





「よく笑えるね」

「…笑えなきゃやってられませんよ!夢なら覚めて欲しいぐらいですし」





予想外の反応に、彼は呆れ顔で私を見た。

……なんか心外だなぁ…確かに普通はもっと別の反応するべきなんだろうけど。





「今日は帰りなよ。話は次の時にするから」

「え、あ、ちょっ…ちょっと!?」





話の終了を切り出した彼に私は反論しようと声を上げたけれど。

…気がつけば、夕焼けの色に染まった自分のマンションの前に立ち尽くしていた。



――…一方的に話まくって、この仕打ちは無いよリーゼル青年…!






頭の中が、情報の整理の為に痛みを発するほど活発化している私に、

残暑の熱が纏わりついてきていた。












後編?終了! 強引なリドルですが、整理する時間を与えたんだと思いますぜ。 気に入りましたら、ワンクリック!→コチラ!

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