運命とか、必然とか、
そう言う言葉で全部片付いちゃうものなのかな。
悪夢はスタートライン20
「は、"預言書"がどう言う物なのか知っているかい?」
微笑んで、リドルが突然口にしたのは、日常生活には全く出てきそうにもない、硬い言葉。
預言書の事について考えたいんだけど…駄目だって、そんな輝く笑顔で私を見ないでくれっ…
真剣な場面なのにも関わらず、彼の顔を(諸事情により)見られなくなった私は、
俯き加減で、考えを巡らせる。
「えっと…未来が記された本の事ですよね。
魔術関連でも出てくる品で……って、私に知識がないからってそんな顔しないでください!」
折角自分なりのまだマシな答えを出そうとしている私に対して、
リドルは途中で盛大にため息をついた――えーえー、どうせなってませんよ私なんて!!
「それなら、さんは変だと思ったことはないかい?
未来が記されている本が、もしその世界に存在するなら、世界に"未知"は不要になる。
…言ってる意味が分かるかい?」
「全く理解できません」
何度もリドルにため息をつかせて悪いとは思うけど、ごめん。本当に分からない。
だって……回りくどすぎるよ。言葉を飾りすぎだよ。
「――…今、僕に言いたい事があったんじゃないかい?」
「めめ、めっ滅相もございません!!」
心読まれてたーっ!!!!
迂闊だった、油断してた…気をつけないと身が持たないっ!
リドルは軽く息を吐き出し「つまり」と会話を続けて。
「預言書は、元からその世界に存在しない"異端者"で、
その異端者を隠す役割として、共に来た者を宿り主とするのさ」
「……その"来た者"って言うのが、リドルさんなんですか」
「まさか。寧ろ僕がなれる者ならなりたかった位だ」
そんなにいい役なんだろうか…"宿り主"って。
でもそしたら、話は始発点に戻ってきてしまう。
「あのですね…話が全く違う方向に進んでいる気がするんですけど」
「さんの質問に答えるには、それだけの準備が必要って言うことなんだけど?」
「……深過ぎる事情があるんですか」
それなりの理由があってのことだろうが、余りにも事が大きすぎて
私の頭では流石についていけなくなってきた。
「気付いてないだろうけど、その中にさんも含まれてるんだよ?」
――…今のは聞き捨てならないんですけど。
ごめん、中途半端ばんざい。
リドルがあんまり黒くない。
そして話が進まないよぉぉぉ…
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