前言った気がしますが、もう一度言わせください。

プリーズ ピース!!












悪夢はスタートライン19















いきなり過ぎるリドルの行動に、焦って止めようと思った――その時には。





「ど、どこですか?」





…すっかり別の場所に移動してました。


机から突っ伏す形で眼が覚めた私の目には、ひとつしか映ってない。

壁を見ても本本本、足元を見ても本本本、頭上を見ても本本本。


何故か此処には本(棚に入っているらしく、背表紙だけ)が一面に詰められていて、

入り口は愚か、床、壁、天井すら確認できない。


えっと……一言で言うなら"書物のプラネタリウム(完全球体)"かな。






「起きた?」

「ひぎゃぁぁぁぁ!?」






絶叫。と言う言葉が似合いそうな声で、私は驚きを表現した。

だ、だって…さっき見たときには居なかった筈なのに、いきなり声掛けて来るし…!


オーバーを超えたリアクションをした私を見て、張本人――リドルはため息を付いた。





「…そんなに驚く必要は無いはずだよ。さん」

「貴方が突然現れたら、誰だって悲鳴の十や二十上げますってっ!」





きっと目の前にゾンビがあわられても、こんなに凄まじい悲鳴は上げられないと思うよ。

胸に手を押さえ、何度か深呼吸して視線を上げてリドルを見れば。





「……あの。ひとつ質問してもいいデスカ?」

「なんだい?」

「どうしてリドルさんは優雅なティータイムしちまってるんですか」





何処から飛び出してきたのか、考えたくも無い物がそこにはありました。

アンティーク調の洒落たテーブルとお揃いのイスが二脚。

その片方に座り、優雅に紅茶を飲むリドルさんがいました。





「まぁ、立ち話もなんだからね。座りなよ」

「あ、あっりがとうございます…」





理由をきいてはいけない雰囲気と、押しの強い笑顔により、素直にイスに腰掛ける私。

座った瞬間、紅茶のいい香りがした…うーん、アールグレイ?それともダージリンかも?





「えっと、ここって何処なんですか」




おずおずそう聞けば、リドルは熱い息をホゥと吐き、テーブルにカップを戻しながら言った。





「…"核"だね」

「核?核兵器!?北朝鮮ですかっ!?

「真剣な返答をしたつもりなんだけどね。落ち着いてくれるかい?」





思わず最近ニュースで話題の国名を口にしてしまった…迂闊。

盛大にハァーッとため息をつかれ、彼の機嫌を思いっきり損なった事に慌てる。





「ご、ごめんなさい…」

「――"知識の界"、"世界の核"。言い方を変えればいくらでもあるよ」





テーブルに両肘をついて、私を見ながら更にリドルは言葉を続ける。





「ここにあるものは、全て"あの世界"の情報を書物の形として存在させている場所。

 もし此処で一冊の本を燃やせば、その内容は全て白紙。無になる」





……思わず、私は口を思いっきり開けてしまった。

え、つまり。此処って重要で、凄いところなんだよね。

リドルは、此処で"ハリー・ポッター"についての情報を全て消した、と言う事なのかな。





「でも…何で、あなたがこの場所に出入りできて、その上情報を消せる権利があるんですか」





素直に気持ちを言葉で表すのなら、あまりにも理不尽だと思った。

だって、…積み上げてきた物を、消せてしまうのが。


もし出来たとしても、彼じゃなくて、神様ならまだ許せたかも知れないけど。





「それは、僕をこの世界に送還した"とある者"に関係してるんだよ」





楽しそうに、彼は言った。

……かなり、大事に巻き込まれたなと、密かに私は思った。









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