ひんやり心地よい冷たさの中

私の心は冷や汗ばっかりかいています。











悪夢はスタートライン18















地球温暖化なんて全くシカト状態の甘味系のファーストフード店のボックス席にて。

私は何とも言えない緊張感を覚えていた。





「食べないのかい?さん」





そう言いながら席の反対側に座っている彼が、ゆっくりドーナツに手を伸ばしている。

…今、完璧なツーショットになってます。えぇ、多分正体をバラして初だと思います。

こう、バンッと場を設けられると…何時も思ってる質問もシャイになって(ぇ)出てこない。





「…あ、あのですね」

「なんだい?」





一番気になっていた質問が意外と素直に出てきたので、私はリドルに声をかける。

彼の目は、急に穏やかなものになり、笑顔が素敵に(怖い)なってます。


一瞬後悔したものの、言ったが最後。後戻りはできないご様子。

ゴクリ…と間を空けた後、言う。





「どうやって…"あの本"について全削除したんですか…?」





触れてはいけないと思いながらも、投げかけずにはいられなかった…。


本の中では平気で"忘却術"と言う手段があったが、こっちで通用するとは限らないし。

ましてや関連書物、グッツ、そして架空世界のデータを世界単位で消すなんて…。

――…今まで触れないようにしていたけど、そんな力が彼に本当にあるのだろうか。





「…さんならそう訊くと思ったよ。
 
 確かに、君が知ってる"あの本"の知識だけなら、僕がやったことは不可能にみえるだろうし」





彼は一息置いて、手元にあるコップから紅茶を飲む…ここでも紅茶魔人か(何考えてるのよ)

何となく騒がしい辺りとは違う空気が流れ、私は冷や汗をたらりと流す。




「だが、この世界は"アレ"とは違う…反則もこっちではできるんだよ」

「た、例えば…?」




好奇心が私のストッパーと通り抜けて、彼に質問をする。

訊いちゃいけない……なんかヤバいんだけど。




「忘却術は、あくまでその場に居る人物に効果があるのが一般的だ。

 ましてや生きている者の記憶を弄る魔法……魔力の消費は目に見えてる」




声が穏やかなのに、その奥に何か秘められている言い方だった。

……もしかして、私が質問するように誘ってる…?




「――知りたい?」

「っえ」




好奇心と、警戒心がゆっくりだが、争い始めている。

どうすればいい…ストレートに知りたい……でも、なんか危ない気もする。

私は……




1.根性で好奇心をねじ伏せて断る。

2.興味本位で「YES!」と叫ぶ。

3.判断を濁してそのまま逃亡。




あー…三番不可能(腕掴まれるよ、んで「どこ行くのかな?」と黒笑みで言われちゃうよ!)

――…とっさにこんな考え方が出てくる私も凄いわ。





「…い、イエス」




そして感情のままに、欲のままについ言ってしまいましたよ…。

あぁ…どうにでもなって!だって、これ以上状況は悪化しないよ!!




「分かったよ…じゃあ――」




彼はスーッと私の目の前で、腕を横に振った。

――…突然、電源を落とされたように、私の視界は真っ暗になった。


やっぱりやめておけばよかった………かも?














持ち越し万歳。そして、後のまつり。 …人は好奇心に勝てないものです(そして久々に出てきたよ三択) ――私なら3がんばって選びます。 気に入りましたら、ワンクリック!→コチラ!

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