夏は輝きの時……そして、その輝き故に。
…現実に勝る、追憶として蘇る。
悪夢はスタートライン13
「ちゃん。又何時でも遊びにおいでね」
「うん、ありがとうおばあちゃん!来年も又来るから!」
まだ朝方なのに、今お婆様の家から旅立とうとしている私の耳に蝉の鳴き声が届く。
短い間だったけど、お婆様には随分お世話になったなぁ……。
今年、享は受験生って言う事でついて来なかったけど…それはそれで十分楽しめた。
「じゃあもうそろそろ行くねっ!」
「あ、ちゃん」
私が駅へと歩き始めようとすると、おばあちゃんは少し切羽詰ったような声で呼び止めた。
どうしたのだろう…振り返れば、さっきとは違う、困惑の表情を浮かべたおばあちゃんがいた。
「ちゃん……"あの子"は?」
――…サーッと、走馬灯の様に私の中に何かの記憶が入ってきた。
大切だけれど、消し去りたいような…記憶。
きっと、おばあちゃんは好きでこう言う話題を切り出したんじゃないと思う。
そう。聞かずにはいられなかった……だけど、私にはつらい。
「…見つかってないよ。
十二月に失踪してから…もう半年になるけど
相変らず"バイト先で目撃"の先の手がかりは完全に途絶えたままで……」
「――辛い事訊いちゃって、ごめんねぇ」
「ううん、いいの!だって…」
追い払った記憶が、再び私の元に帰ってくる。
私と常に共にある影の様に、
私の幸を一瞬で消し去る闇の様に、
私が願う世界を壊す沈黙の様に、
感情とは裏腹に。
「夏はあっついねー!」
「三波。アンタは何でそうも元気なのよ…」
「ん、いやだって"暑さに負けない"が今年の目標だから!」
「…まるで餓鬼ね……」
「そんなのじゃないからっ!」
……暖かいのに、触れれば直ぐ燃え尽きそうな記憶。
「――は、もう死んじゃったんだよ。おばあちゃん」
何時もの自分とは不釣合いな…重い、息苦しい空気は
心地よい朝の風でも、滅する事はできなかった。
鬼のように(内容が)重くてすまない。
どうしてもこの件に関しては触れたかった。
(友人さんについては…まぁモット詳しく話をするとおもいますけど・・・)
ごめん。久々に内容がみじか〜い!
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