夏の、私に。
どうか幸せな日々が来ますように。
悪夢はスタートライン12
夏休みが始まります。
勿論、私は明日にはお婆さま宅にお邪魔すべく旅立つんだけど……。
――嫌な悪寒が走りました。
「…さん」
「のわっとォ!?」
「いや、そんなに驚かなくても」
前期最後の登校日恒例の大掃除の最中に
突然後ろから声を掛けらたらそれは驚くでしょう!(リドル限定)
「……そろそろ慣れたらどう?現実は変わらないんだから」
「いや、絶対無理です。それは私の“死”を意味するのです」
目の前に本人が居るのにそれがはっきり言える私に乾杯!
最後まであがらいたいじゃない?もし、ハリポタの記憶がある人の最後が私なら。
「で、何の用事ですか?」
「ナギサが帰りに少し話があるから残って欲しいらしいよ」
「そっか。ありがとう〜、じゃあ先生に用事があるから教務室に行ってきますねー」
会話をやはりする気にはなれず、私は適当に用事を作ってその場から立ち去ろうとする。
「――君は、変な人だね」
ボソリと背後で呟いた彼の声で私は振り返る。
さっきとは違った表情で私を見つめる彼の瞳は一瞬色が霞んで見えた気がした。
「君が僕を避けているのは表向きな理由だけじゃないだろう?」
「リドルさん。変なのは貴方です。
……貴方が壁を作ってるんですよ。昔の様に」
ふいっと彼から視線を逸らして、私はスタスタと歩いて行った。
……歩きながら、思った。
私、キャラが違うと!(何故そうなる)
言うべきじゃなかったかもしれないけど
……ああ言う雰囲気から逃亡するにはこう言う手を使うしかないとおもったんだ。
「……もっと目ぇ付けられるかも」
そりゃ、彼にとっては意味深な言葉を発しちゃったもの……なんか嫌な予感。
「ケセラセラ精神だー」と小さく叫びながら、私は廊下をスタラカチャチャと小りをしていった。
〜§〜
昼の時間に近付き、私のお腹も素直にグゥとなりそうな頃になって、一学期の終業式が終了した。
えっ、通知表……聞いていい事と悪い事があるのを君は知ってるかい?(誰かのまねっこ)
「なぁ、トミー。転変入生だと通知表ってどうなるんだ?」
みんなが下校する中、渚が教務室に用事があるので教室に私とリドルと安城君は待機していた。
――ナイスだ安城君っ!
君の(リドルの正体を知らないからこそ出来る)行動に乾杯だぁ!
「前にいた学校の単位がちょっと移動してるからまあまあだよ。
でもこの休みにちょっとは補習に出なくちゃいけないんだけどね」
あ、意外と忙しいんだ。
じゃあほぼ夏休み中に遊ぶ事は無さそうねぇ(内心安堵)
そして続けて質問しようとした安城君だが、その刹那……。
「ただいまーっ!ごめんねぇ、遅くなって〜」
物凄い騒音を立てて教室のドアから渚が入ってきた。
ちょっと髪の毛が乱れてる様子から見ても、どうやらかなりのスピードで走ってきたみたいだ。
近くの机に豪快に鞄を置くと少し乱れている息を整えてから、渚は言う。
「いやぁ…あの腐った玉ねぎ男が何処探してもいなくてさ…倉庫にいやがったのよー」
玉ねぎ男=情報処理の半田の事を言う渚。
…外見以上に渚の口が悪い事に最近私もなれて来たよ…。
「じゃあ、ナギサ。そろそろ二人に言ってもいいんじゃないかな?」
「そうだね〜」
鞄を置いてゆっくりリドルの近くに歩み寄り、私と安城君を見て笑う二人。
…その笑みが普通に黒く見えるのは気のせいですか?
「ん?何の話なんだ?」
「…ふっふっふっふ。名づけて『夏のエンジョイ計画!!』」
渚。それ普通に名付けなくてもいい気がするよ?
急にテンションが乗ってきた渚と比べ、リドルはただ微笑を浮かべるだけだ。
(それがなんとも怖い・・・)
「えー、八月六日の県花火で夏をエンジョイしようという計画だよー!」
「さんも丁度戻って来る予定の次の日だからね。いいかなとおもって」
そんな会話を淡々と進めいていく二人…。
えっと、県花火とは文字通り県単位の大きな花火大会の事。
恐ろしいほどの花火見客と、おぞましいほどの露天があることで有名でもある。
……去年は行きそびれて出来れば行きたいとは思ってたけど。
「あぁ、それなら俺は行けるよ!丁度今年も行こうと思ってたしさ!」
「…じゃあさんはどうかな?」
押しが強いリドルの笑顔(+ちょっと黒い渚の笑み)で私の立場がきついんですけど…。
って言うか、安城君!そこ、さり気なく私から視線逸らさないでぇ!!
「うん…多分いける……」
「じゃあ今日は解散!前日までに行けなくなったらアタシにメールよろしくね〜」
さっぱりと話は終わり、渚、安城君の順に教室から人数が減って行き……。
当等一番嫌なツーショットになってしまった。
「じゃあ……失礼します!」
「…あ、そうだ」
去ろうとしていたのに急に声をかけられ、私の心臓は異様な緊張で死にそうだった。
…何言われるんだ。ツーショットはマジ嫌いなんだよ私っ!!
ギギギギとゆっくり振り返れば黒いのか爽やかなのか分からない笑みでリドルは言った。
「お土産よろしくね。あ、食べ物がいいな」
・・・・
・・・・・・・
このバカヤローーー!!一番安いの買って来てやる!!
(でも買ってくるんだ…って言う突っ込み駄目ね)
フンっと顔を背けて…私はズカズカと教室を出て、階段を降りていった。
――夏はまだ始まったばかり。
夏休み入ったよ(遅いな)
夏には一杯遊ばせて、一杯悪いことする予定…(待てよ)
リドルの影が若干薄いような…そもそも内容薄いような・・・。
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