「えっと、何処から説明したらいいのか分からないんですけど……」




は、紅茶を口にしながら穏やかな瞳で見詰めるダンブルドアに言う。


奇妙奇天烈な物と、豪華すぎる装飾品が入り混じっているダンブルドアの"部屋"に招かれたは、

取り合えず今までの経緯をダンブルドアに説明する。





「えっと、取り合えず。俺の名前は藤谷・……あ、いや。・フジヤです」


「オレの名前は安城・。言い方変えると・アンジョウだな」


「…ほぉ、髪の毛の色が違うのでのぅ。東洋人だとは思わなかったのう」




…東洋人と言う言葉が出て来ているので、多分此処は"地球(にもしくは似た場所)"である事は確認出来た。

まぁ、ダンブルドアがイメージしている東洋人は黒い瞳に黒の髪なのだろうが……二人はどちらも当てはまらない。





「……その、俺達。学校帰りに走ってたら、何時の間にかあの場所に移動してて…此処は何処ですか?」


「…此処は、ホグワーツと言う学校の中じゃ。此処にいる全ての者が"魔法"を使える」



「魔法って、テクマクマ○コン?」





魔法=変身系魔法少女と繋がっているの一言に、ダンブルドアは首を傾げたが、が慌てて言った。




「き、気にしないで下さい!…魔法とは、火や水を生み出せる"アレ"ですか?」


「そうじゃのう。それは基本的な物じゃて、本当はもっと深いのじゃが……ホレッ!」




の質問に対し、素早く服のポケットから先が少し尖った――指揮棒の様な物を取り出すと、軽やかに振った。

すると、無の空間から淡色のバラ科の花が一輪見事に咲き誇った。


「おぉ〜!」と、ひとりあまり会話に参加せず出された煎茶を飲んでいたの反応を見ると

すぐさま指揮棒を振ってそれを消した。



「…それが、ダンブルドアさんが言う"魔法"ですか」


「そうじゃ。此処に勤める者、学ぶ者がこれを操り、生活しておる」





……なんて無茶苦茶なんだと、は暫しの間沈黙するが、その間にはダンブルドアに言う。





「多分オレ等さ〜、なんかの影響で見知らぬ土地に移動させられたと思うんだよ。そんな"魔法"って言うのも、

 本とかの中でした見た事ないしさ〜」


「いや、ワシらの世界でも"魔法を使えぬ者"…コチラではマグルと呼ぶのじゃが、おるのじゃ」



あぁ、なら納得。と言う感じで、は手をポンッと叩いて話を続ける。




「じゃあ、後は此処がオレ等のいた世界の"過去or未来"か、別世界か見極めるだけだなぁ……幾つか質問してもOK?」


「構わぬよ。君らの方が、必要な情報は足りぬじゃろうて」


質問を許可されたは暫し考え、幾つか浮かんだ質問を並び替えてダンブルドアに訊く。






「質問1〜、オリンピックご存知〜?」


「アンサァー、勿論しっとるよ。一番新しいのは…ソウルオリンピックかのう」



…結果:ソウルオリンピックが何時行われた(又は行われる?)か知らないので保留。

それに、何故かダンブルドアのノリが異様に良くなったのは気のせいだろうか。




「質問2〜、電気製品はご存知?どんなのがあるか知ってる?」


「アンサァー、あまり詳しくは無いが、洗濯機やテレビならマグルの間で持っているのは当たり前じゃのう」




…結果:取り合えず、第二次世界大戦は終わっている事が判明。

しかしながら、あまり過去の事に拘りも探究心もないにとってはあまり価値が無い情報ばかりだ。




「質問3〜、モ○ゾーキッ「サック、そんな質問じゃ正確には分からないよ」


当等、全然この世界の事の情報を使いこなせていないに見かねたが、無言状態から脱却して一番確実な質問をする。





「…今は、西暦何年ですか?」


「確かに、それが一番確実じゃのう……今は1990年の9月の初めじゃ」








……異世界に飛んだのか、それとも過去に飛んだのか不明なんですが…。







「1990年かぁ……オレ等にとっては過去だなぁ」


「俺…二歳だね」


「…では、君らは未来の人間なのかのう?」


未来の人間とまで知ると、少々驚きを隠せなくなったダンブルドアだが、が答える。




「断言は出来ないと思います。まだ情報が足りないし、
 
 もしかしたら"パラレル・ワールド"と言う可能性だって否定できませんし」


「そうなのかのう……はちなみに年は幾つで、何時の時代から来たのじゃ?」



そう質問され、二人は喉の渇きを煎茶と紅茶で潤してから、答える。



「俺は、今十七歳です……そして、サックが今十八歳です」


「んで、オレ等が此処に来る前にいたのは西暦2006年の3月3日〜」



そう言うと、ダンブルドアは納得した様に頷き、暫し考えて急に立ち上がって


テーブルの上に置かれていた自分の杖を手にすると、に向けた。




「ちぃと痛いかも知れんが、直ぐ終わる」








閃光が爆発した。









一瞬、身の危険を感じたが、その必要は無かった。

ダンブルドアが杖を下げ、煙が晴れると――の爆笑が聞えた。



「…ぷ、アハハハハハハッ!!!!」


それは、物凄い笑い方だった。ゲラゲラ以上…いや、喉が瞑れてしまいそうな勢いと言っても過言ではない。

しかし、は明らかに戸惑っていた……体が凄く軽い気がするのは気のせいだとも思いたい。



「…ぐっ、く、グリちゃん……お、男に見えないっ!!」


笑いの余波か、の発言は若干どもり気味だった……その理由は、彼の立場から見れば分かる気がする。

髪の毛に少し癖があり、その幼顔は本当に幼くなってしまっている為、数千倍愛らしく見える。

明るいブラウンの髪の色は変わらず、少し日本人特有の黒が表に出てしまっているが、


そんな事はどうでもいいのだ―――の姿が、幼くなり、女の子と見間違える程可愛いのだ。



「…そう言うサックは……子供にしか見えないよ」


そう、の事を笑っていられない……外ハネが酷かった赤紫髪は、若干滑らかになり、そしてと同様に

髪の毛の色もダークが少し加わった赤紫色になっている。

…とは違い、には昔の子供の服(着物)と、木の棒を持たせれば

映画に出演できそうな程のやんちゃさが見受けられる。



――…だが、二人が幼くなったのと同時に、何故か着た事のない服を着てしまっている。

黒い羽織りに、目立つエンブレムが縫われている……一見すると、学生服とも見えるが…。




「こ、これは…どう言う事ですか?」


相変わらず戸惑いが収まらないに対し、アルバス・ダンブルドアは優しい微笑みを浮かべて言った。




「……・アンジョウ。そして・フジヤのホグワーツ魔法学校の入学をこの場にて許可する!」







――…波乱万丈が、チラリチラリと彼らの前に姿を見せ始めた。






終わったっ!長かったよっ! ちなみに、前半部分でが言っていた魔法="アレ"とは FFシリーズとかの魔法の事ですね。 ……そして、管理人懲りずに愛・○球博ネタをさり気なく…。

BACK TOP NEXT