季節が変わり、最近生徒達がワクワクとした雰囲気を出していた。

……勿論、その理由が分からない達を除いて。



「クリちゃん…長い年月が過ぎて行くようで、オレは怖いぜ」

「…まぁ、先が見えない生活だけど、楽しいから言いと思うよ」


二人専用となった隠し部屋で、そんな会話をしながら愛用ギターの手入れをする。


"先が見えない"と言うの言葉は確かに正しい。

未だに、自分達が此処に来た理由も、帰る方法も見つからず、時が流れていく。

頼みの綱であるダンブルドア校長の情報も、一切無い。



「それにしても…――!中々相手出来なかったオレを許してくれぇッ!」


しかし、微かながらこの先の不安を抱くに対し、

は愛用ギター""をより一層強く強く磨いた。



「俺達もミュージシャンの端くれなのに、最近全然歌えてなかったもんね…久々にやる?」

「おっ、良い事言うねクリちゃん!じゃあさっ!」


急に立ち上がると、をソファーに立て掛けてから奥にある古い暖炉の前に立つ。

そして胸ポケットから袋を取り出すと、おもむろにそれに手を突っ込み、暖炉に投げて言い放つ。




「ホグワーツ校長室!……先生!お暇ですかっ!?」


――…誰を呼び出すかと思えば、どれだけ大物を呼びたいのかと、正直は焦った。

チューナーをテーブルの上に置き、愛用ギターの""を椅子に立て掛けると瞬時に立ち上る。


緑の、少し目に悪い程瞬く炎の中から、ダンブルドア校長が現れに話しかける。




「御用かのぉ…ワシは魔法のランプの精などではないのでのぅ」

「…申し訳ありません!実は、オレ等の演奏を聴いて欲しくて……」


そう言うと、はさり気なくアンティーク的な椅子に座る様、ダンブルドアに促した。

椅子にゆったり腰掛けると、ダンブルドアは半月メガネの奥から置いてあるのギターを交互に見る。




「二人は、その楽器を演奏できるのかの?」


「……え、えぇ。此処に来る前から結構やってましたからね」


はそうダンブルドアの質問に答えると、演奏に備えてセッティングに入る。

ストラップを使い、立って演奏が出来るようにギターを支える。

そして、ギターの至る所を丹念に調整し、再確認すると、ようやく二人は声を交わす。




「何する?」

「う〜ん、"Weak Point"は?」

「ん〜、コード覚えてっかなぁ…」


ネックの弦押さえながら、はジャラン、ジャラランと音の確認をし始める。

約、三ヶ月振りとなる演奏だ……多少の物忘れはあってもおかしくない。



「大丈夫そう?」

「ちょっと手の動きがワリーけど。へーきさ」


そう言ってに微笑むだが、その顔には何処と無く緊張の色が見え隠れしている。

互いのギターがぶつからない様に距離を取り、二人は最後に"準備完了"のアイコンタクトを交わした。




「行きます…ワン、ツー、スリー、フォー」





突如始まったギターの響きは、体にビリビリとした心地良い刺激を与える。


折り重なる音と声が、言いようの無い"音楽"を生み出し、この場を包む。


つむぐ言葉は綺麗で、でも道端に転がっている様な物しかない。


それは、とても明るいのに――少し、心の中に"何か"を残す歌だった。






「ハィ、終了でーす!――…日本語でしたけど、分かりました?」


が、たった一人である観客のダンブルドアに聞くと、ゆっくりと手が動いて拍手を始めた。

そして、次第に強くなって行き、最後には盛大で大きな拍手になっていた。



「やはり、音楽はとても強力な魔法じゃな!――素晴らしい演奏を、ありがとう」

「い、いえ、そんな……」


本音で礼を言ってきたダンブルドア校長に、何故かは顔を真っ赤にしてそう言った。

…は、いつも演奏後に言われる観客のコメントが嬉しいのだが、顔の赤らめは昔から変わらないのだ。




「そんなクリちゃんが!オレは好きだぞっ!このヤロウ!」


「…サック。常識考えての発言をお願いします」


絵に描いたような提案をするの後ろに、急に黒い何かが見え、は黙った。

…最近、の二重人格が色濃くなって来たと思った。




そんな小さな演奏会が行われたのは、

小雪舞う十一月の終わりの事だった。















…終わり方がビミョーじゃ!!何か番外編っぽい(腕が悪くてごめんなさい…) ギターの名称等についてご説明。(オンマウスよろ〜) チューナー ストラップ コード ネック 本当はもう少し用語出す予定でしたが、余り多くても読者様が読みづらくなる思って。 あぁ…次は飛んでクリスマス(早っ!) 22000hit、ありがとうございます。

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