"You might not have000000000000
knowing in my mind. "



















闇は突如現れ、

……ソレは、真っ先に私を暗い世界に引き摺り込んだ。



もう、決して光が届かない様な――深い、深い闇に。











――それは違う。



長き沈黙を破り、最初に発言したのは…他ならぬ、本達だった。

混乱の心中に密かに潜んでいた本達の存在が露になると、私は言い様の無い感情に襲われた。


何でだ?


何で、預言書達が私の情報を本の登場人物であるリドルに漏らしたんだ?

公の舞台には決して踏み込まない様にしているのに……何故、上がらせる要因を生み出してしまったの?




「いや、違わないさ――…クラウン、お前達は僕に言った。
 
 "具現者になる事は出来ない"……お前達が選んだ具現者は、心が脆いマグルじゃないか」




リドルは立ち上がって少し私と距離を取り、私に話す以上に冷たい言葉で本達――クラウンに話しかける。

明らかに彼にはクラウンの声が聞こえている様だし、声の掛け方もまるで以前に話した事がある口ぶりだ。


一体、どうなってるの…?


私は色んな感情や衝動を抑えながら立ち上がって、千鳥足で後退する。

そんな私を見て彼は制止する所か、寧ろ囃し立てる様な笑みで私を見詰める。

困惑し、恐怖におののき、今にも泣き出しそうな私を――楽しんでいるのだ。




「クラウンは、既に僕によって此方の世界に来た事を知っていたさ」

――違う。




暗示の言葉を紡ぐ彼に、私の内なるクラウン達は必死に抵抗する。

勿論、私も信じたくない。そんな事ない…でも……。




「でも、わ、私は貴方をあの場で見ていない!貴方の言葉を信用する事なんて…」

「…"君が"見てないだけさ。召喚の衝撃で、僕は魔方陣の外に弾き飛ばされただけさ」




私が後退すればする程、彼はゆっくり歩調を合わせて私に近付いてくる。

その姿に、言葉で示す事の出来ない恐怖を感じ、私はもう泣きそうだった。

こんな恐怖に襲われたのは――…そう、死喰い人に殺されかけた時と、同じだ。


でも、彼はそんな比じゃない……。




「"信用できない"……確かに。でも、それは僕だけに言える事かい?」

「えっ…」


「それは、僕だけじゃなく――"君を守るクラウン"にも言える事じゃないのか?」




彼の言葉に、私はハッとした。

そうだ…私は、クラウンを信用し過ぎたのではないだろうか。

私が質問しても、クラウンは何処かはぐらかす様な事ばかり言う事もあった。


――…私が、精一杯此処で生きているのに。何を隠しているんだろう。





「君は、騙されているのさ」

――違う。




「クラウンは、最低限の事しか君に教えず」

――違う。




「自分に不利な事は、全て隠していたんだ」

――違う。




「…そして、君が苦しむのを見ていたのさ」

――違う……!






「止めてッ!」







頭の中に絶えず響くクラウンの声と、部屋にガンガン反響する彼の声に、私は大声で叫んだ。

叫んだ拍子に、必死で堪えていた涙が頬を伝って流れていくのが分かった。




「………何なのよっ、何なのよっ!!




流れ出した涙を止めようとして、何度も伝う雫を拭うけど…止まらない。


私は、突然知っている世界から放り出されて。

先も見えない此処で、只ひたすら今を生き様としてる。

色んな事に、感情を掻き乱されて。

色々な人に、多くの嘘を付いて。




「――…私は…私はっ!」



そんなの、もう止めたいんだ。











「我を、此処から逃亡させよ――Affirmation!


――…承認。





私の"肯定"は突然で、リドルにとっては予想外の事だっただろう。

涙を流し、俯いていた私が平気で"裏切っているかもしれないクラウン"の力を使った。

向けていなかった杖先を素早く私に向けるが――私は既に白い何かに包まれ始めている。


今は、逃げるんだ。




「…君に、一つ忠告しよう」




白い何かが徐々に強風を巻き起こし、私を止められないと判断した彼の声も聞き取りづらくなっているが、

それを承知で、彼は少し声を張り上げて言った。




「クラウンの"肯定の力"が効かないのは――」



しかし、彼の声はとうとう風による轟音によってかき消され。

私の視界も完全にホワイトアウトした。









中途半端だって、言わないでください。
構成ミスで一杯一杯。
あともう一話で、四章終了予定。

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