一万ヒット企画夢拍手履歴




カリカリカリカリ……


誰かが用紙に一生懸命何かを綴っている音だけが、この場には響いていない。

しかし、綴っている者に対し、スリザリン生のドラコ・マルフォイは、訊く。


「なぁ、シュウ」

「ん?なぁに、ドラ」


後ろに"猫"やら"えもん"等を付けたくなる様な呼び方で、ドラコに答える愁。


「……その使っている筆記用具は何だ?」

「えっ、見て分からない?シャーペン」


ストレートな答え方をする愁だが、

そんなアンサーでは納得する筈の無いドラコは、すぐさま言い返す。


「じゃあ、何で羽ペンを使わずに"ジャーペン"と言う物を使うんだ?」

「"ジャーペン"じゃなくて、"シャーペン"……いや、只慣れてるから」


そう言うと、顔を上げていた愁は再び用紙に視線を落として書き始める。


「…愁……少し、僕に見せてくれないか?」


明らかに愁が使っているのがマグル製品であるのを知っていながらも、

やはり好奇心には勝てなかったドラコはそんな事を言ってきた。


「いいよ、ハィ」


すんなり差し出された"シャーペン"を恐る恐る手にし、様々な角度からシャーペンを見るドラコ。

そのシャーペンには日本語で


『愛・○球博 モ○ゾー キッ○ロを愛そう!』


と書かれていた。


「……不気味な生き物だな。コレは…」

「んっ?…なんか言った?」


身を震わせるドラコに、愁は首を傾げるしかなかった。




愛地球博のグッズって、意外と持ってる人多い気がしますよ?
私も、シャーペン持ってます(今回みたいに書いてありませんけどね!)



「サクト〜!」 遠くから自分を呼ぶ声が聞え、咲都は後ろを振り返る。 そこには、栗色の髪が素敵な同じ寮生のハーマイオニーが走ってこちらに来ていた。 「やぁ、ハーマイオニー……どうした?そんなに慌てて」 「サッサクト…あのね……あのねっ」 ハーマイオニーは走ってきた所為で乱れた息を整え、そして咲都に訊いた。 「日本人は、生でオクトパスを食べるって本当!?」 ……はぃ? 突如の質問に動揺しながらも、咲都は頭の中で意味を考える。 《…えっ、オクトパスってタコの事だよな……タコ刺しの事言ってるのか?…》 キラキラと眼を輝かせ、答えを待つハーマイオニーに、咲都は説明する。 「いや、生で食べる時もあるけど……本当に新鮮で、上質なタコじゃない限り、   生で食べる事は殆ど無いんだ――基本は茹で。 後、食べるのはタコ足の部分だけで、頭は殆ど食べないんだ」 そう説明する咲都を、ハーマイオニーはコクコクと頷きながら 何処から取り出したか知らないメモ用紙にスラスラと書き込んでいく。 外国や、世界の事などあまり気にしない咲都にとって、ハーマイオニーの行動は理解不能だった。 「…後は足の部分も"醤油"って言う調味料を付けてから食べる」 「そうなのね!…教えてくれてありがとう!サクトって、何でも知ってるのね」 《…いや、日本の食文化説明しただけなのにな…》 素敵スマイルで廊下を走り去っていくハーマイオニーを見詰めながら、 咲都は「外国人って不思議だな」と言う思いを巡らせていた。 日本で、最初にタコを食べたのは愛知県民って言う噂を聞きました……。 マジばななんだろうか…
ホグワーツに数多く点在する隠し部屋の一つで 緑と赤のネクタイをした少年二人が、くつろぎタイムを過ごしていた。 「…いいねこの雰囲気、俺は好きだよ」 「だっろぉー!なんつーか、このレトロチックな感じが…グットだろ〜クリちゃん!」 この部屋を発見した咲都の言う通り、この部屋に置かれている家具は年季が入っている。 ……しかし、長年使われていなかった様に見えるこの部屋に埃一つ落ちていないのが不思議だ。 「あ〜あぁ……こんな時、爽健美茶があればっ…!」 「本当にお茶好きだよね。サックは」 くぅ〜、と悔しそうにその場でジタバタする咲都に隠れ、なにやら取り出し、準備を始める愁。 「…クリちゃん……それは一体何なんだい?」 「えっ、見て分からない?校長秘伝緑茶セット」 そう言って豪華な装飾がされた緑茶の缶を開ける愁に、咲都はギロリとした眼で訊く。 「どうやったんだぃ〜?クリ坊や〜」 「この前、遊びに行った時に――そんな眼で見るなら、サックの分淹れないよ」 その一言が効いたのか、咲都は大人しく愁がお茶を淹れるの待っていた。 ズズズズズッ……… 「あぁ〜、うめぇ!!」 緑茶を飲んだ後の感想としては、少々荒々しい言葉で喜びを表現する咲都に対し、 愁は思い出したかの様に咲都に話しかける。 「そう言えば、俺も変わった隠し部屋に行った事があるよ」 「へぇ〜、どんな所?!」 「なんか、蛇の彫刻が施されて、いかにも"入るなよ〜入るなよ〜"って言ってる部屋だったね」 とても"入ってはいけない部屋"の話をするには口調が柔らかい気もするが、 それは愁の個性なのでご愛嬌だ。 「なんか、端っこに"サラザールの部屋"って書いてあったよ」 「サラザールかぁ……誰なんだろー?」 そんな凄い所の話をしながらも、二人は優雅に校長の緑茶セットを消費していった……。 …きっと、後に校長が必死になって緑茶セットを探す事でしょう。 ちなみに、お茶は福寿園(伊○衛門)の奴で。

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