誰も助けてくれなそうですが。

とりあえず、ヘルプミーと言っておきます。





「彼に知識を〜ゲームについて〜」



二人座りのソファーに腰掛けるの隣に、少し窮屈そうに座る彼がいた。

銀の長髪に、少し青白い肌……何故か宅に居候している明智光秀である。



「さん…ふふ……今日は何をやるのですか…?」

「…いえ、今日は普通にテレビを見るだけです(そんなに期待しないで欲しい…)」



何故か目の前にある電源がついていないテレビを見ながら、彼は愉しそう声を出した。

(何時もこんな感じなのだが)


…まぁ、光秀が何でそんなに愉しそうなのか理由を挙げるなら一つしかない。






昨日の夜の事。


「おや…何をするのですか、さん?」

「――…ゲームと言う、此処での遊戯をやります」

「…ゲーム……ですか」


そう言って、棚にしまってあったPS2を取り出し、テレビに接続して準備する。

未知なる物に対して、穏やかな興味を向ける光秀。


「ゲームには、色々なソフト……つまり遊び方があって、今日は…」


パカッとソフトケースを開けて、はCDをPS2に挿入する。

暫くすると、何も映っていないテレビにソフト名が表示された。






『真・三國無双』と……。






「あ、明智さん…はやっぱり見ない方がいいかも……しれません」

「おや、どうしてですか?」


…今更、このゲームを選択するんじゃなかったとは後悔した。


よく思えば、これは(正確に言うなら)人殺しゲームなのだ。

現実世界では出来るだけ刺激しないように心がけているのに…これをやってしまったらっ!



「…ちょーーーーっとばかし、刺激が強いかもしれないと…思って…」

「ふふっ…刺激は大歓迎です、強いなら尚の事…」




言 う ん じ ゃ な か っ た っ 




目が怪しく光りだす(普通の服を着せていても、このオーラは変わらない)光秀に、

はギシギシとぎこちなくゲームをスタートする。






『バサァ(斬る音)』

「ぎゃぁぁぁ!!」


『ドーン(衝撃音)』

「うわぁぁぁあ!」




テレビ画面から飛び出す効果音達(この時せめて無音にすればよかったとは思った)

それに対し、何時の間にか隣に来て光秀はじーっと見詰めている。



「(こ、怖いんですけどっ・・・?)」



何か言ってくると予想していたにとって、逆に言ってこない光秀の方が怖い…。

そして、終盤に差し掛かりいよいよ総大将との対決となる。




「…勿体無いですね……」

「え?」



ボソリと隣で呟かれ、はとっさに中断ボタンを押して光秀の方を見る。

何時も薄っすら浮かべている笑みはそこにはなく、かわりにレアな真顔の光秀が座っていた。



「どういう意味ですか?」

「…何故あそこに罠があるのです?」





――…ハイ?




「え、意味が…」

「あの場所に罠を仕掛けるのならば、少し前の門の方が確実だったでしょうに…」



真顔が徐々に何時もの笑みに変わっていく。



「大体何故、風を起こすだけなのですか…一緒に毒を撒けば更に兵は苦しむでしょうに…ふふっ……」

「・・・」




どうやら、プレイはしないけどのプレイをみて

それをもっと残酷映像にさせるにはどうしたらいいのか考えるのが好きみたいです。




「ふふ…さぁ、どうぞ続きを…私はここで見ていますから……」

「……いえ、今日はもう止めます。明日やります……」



一日一戦…は心の中で固くそれを誓った。










そして、今夜に至る。



「…あんな愉しいものを、さんは毎日やりたくないんですか?」

「はい、いいんです(いや、あなたがいなければやりますよ!)」

「やっていただかないと…困ります……ふふっ」

「いいえ、やりません!」




何とも地味な攻防をしながら、

こうして毎日を過ごすお二人でした……。






後書き。
すみませーん。此処にキャラ違いの人がいまーす。
(許して…っ)
初明智なんで…特にっ!!